| 1.大人が勉強するとき、暗記するための努力は必要ありません。
本格的な星占いというと、謎の図形や文字が出てきたり、ギリシャ語やラテン語を覚えなくちゃならなかったり、神話学や心理学や天文学の知識が必要だったり、なにやら難しくてとっつきにくいことばかりのように感じられるかもしれません。
けれど、実践的な占いをするのに、それほど大仰な知識は必要ないものです。友だちとメールのやりとりをするのに、パソコンの仕組みやソフトの構造や通信環境の全てを知る必要がないのと同じですね。ただ、メールのやりとりをするためのボタンと、作業の手順だけ知っていれば、十分です。
また、最低限必要な知識だからといって、いっぺんに全部暗記しなければならないわけでもありません。必要な情報を一覧できる表があれば十分です。脳の記憶容量の限界に挑戦しなければならないのは、かわいそうな受験生たちだけで、大人になってまで、そんなことをしなくてもいいですよね。
大人の勉強は「やり方を知る」というところにつきると思います。「記憶」していなくても、「記録」があれば大丈夫。この講座では、何種類かのワークシートを使って、星占いに必要不可欠な図、ホロスコープを読み取るための手順を解説します。
それはちょっとしたパズルのようなもので、頭の体操のつもりで楽しんでいただけたらうれしいです。足し算と引き算だけでできる脳トレです。スパッと答えが出たときは、気分爽快ですよ。
そして、遊んでいるうちに自然と多くのことを記憶してしまい、やがて一覧表も必要なくなることでしょう。
2.占いをする目的は、豊かなイメージ世界を作り上げ、毎日を楽しくすることです。
この講座の始まりは「なんのために占いをするのか」というところにあります。好きな人の気持ちが知りたい、お金持ちになれるかどうか知りたい……など、占いに求めるところは様々でしょうが、つまりは「毎日を楽しく豊かに生きる」のが目的といえるでしょう。
ところで、お金持ちになるということと、毎日を楽しく豊かに生きることは、イコールではありませんね。お金があっても、人間関係に苦しんでいたら、幸せとは言えません。恋人に振り向いてもらえても、その恋人の持っている借金を背負わされたり、恋人の親から意地悪されたりしたら、これも幸せとは言えません。
お金持ちになるとか、好きな人と一緒になるとかいうことは、毎日を楽しく豊かに生きている場合に起きる現象のひとつにすぎないと考えるのがよいと思います。
「お金持ちになった→だから楽しく豊かに生きている」ではなく、「楽しく豊かに生きている→そのため、援助してくれる人が現れて良い仕事ができた→結果的にお金持ちにもなった」という具合に、考える順番を逆にしましょう。
楽しく豊かに生きる形は、たくさんあるということになりますね。
では、「楽しく豊かに」のイメージを作るにはどうすればよいか。
ここで役に立つのが占いです。星たちの世界には、イメージ作りのお手本がたくさん出てきます。
たとえば、愛と美の女神である金星は、人から愛されるとか、美しい容姿をもたらすとか、ファッションセンスがアップするとか、さまざまな良いものと美しいもののイメージの固まりです。数千年の古代から、人類が積み上げてきた「愛と美のイメージ」を眺めると、私たちの考え方が変わってきます。とくに、自信がないとか、嫉妬心を抑えられないとか、マイナス思考にハマッている場合には、考え方を変えるための有効な道具となるでしょう。
そして、占いは古代に完成したものではなく、今もなお成長を続けています。古代人の抱く愛と美のイメージがあるならば、私たち現代人の抱く愛と美のイメージもあるのです。無数のイメージを金星というひとつの星に預けて、必要なときに取り出して味わい、楽しく豊かに生きる心を作り上げていく……これが、占いの利用法であると考えています。
この講座は、古代のイメージを学びつつ、新たなイメージを積み重ね、より豊かなイメージ世界を作り上げるのが目的です。
3.歴史、天文学、技法は私も勉強中です。
メソポタミアの時代から連綿と続く星占いは、学問としてとらえると、一生かけても学びきれるものではありません。
果たしてどうやってアプローチすればいいものやら、実は私も考えあぐねているところ。一応、ギリシアの神話と哲学に立脚しているつもりではあるのですが、やればやるほど未知の領域が出てきて、呆然とします。
まさに「知らないことに比べたら、知っていることなど無に等しい」です。
もし、本講座の中で、なにか疑問を感じることがあったら、一緒に追求しましょう。ふと生まれた疑問が、新たな学問が始まるスイッチとなります。これは、初学者であろうが、手練れの星占い師であろうが、優劣はありません。
「これは何?」「なぜ?」と疑問を抱くこと。そして、答えを見つけるまであきらめないこと。そんな姿勢で星占いという素材に取り組みたいと考えています。
私は、みなさんの質問のいくつかには即答できるかもしれませんが、全く答えられない場合もあると思います。
そのときは、一緒に「これはなに?」「なぜ?」を求める、思考の旅に出ましょう。 |